観るサル 聞くサル 言うサル

最近観た映画や本についてのブログです。「観るサル」(映画館篇)では映画館で観た映画「観るサル」(家篇)ではテレビやDVDなどで観た映画「読むサル」では本について綴っていきます。
「わたし、定時で帰ります。」読むサル

JUGEMテーマ:読書

「わたし、定時で帰ります。」朱野帰子(新潮社)

 

 定時に上がって美味しいビールを飲むことにこだわる結衣が、無茶な条件で引き受けた仕事を部下に押し付けてくる上司や、様々な理由から帰ろうとしない同僚達を相手に、全員が定時に帰れる会社を目指して奮闘する物語。

 一見痛快そうな話なのだけど、主人公の結衣が周りから思われているようなお気楽なタイプの人間ではなく、むしろやるべき事は効率的にキッチリと片付けて周りに迷惑をかけたくない生真面目なタイプの人間なので、必死にぶつかっていっても理解されないどころか逆に誤解されたり、ミイラ取りがミイラになってしまったりの孤独な闘いが、読んでいてちょっと辛くなってくる。

 結衣の理想に共感しつつ、周りの人達の考えや気持ちも理解できる、なかなか身に詰まされるお仕事小説だった。

| 読むサル | 16:28 | comments(0) | -
「オンネリとアンネリのふゆ」観るサル(映画館篇)

JUGEMテーマ:映画

「オンネリとアンネリのふゆ」監督:サーラ・カンテル 出演:アーヴァ・メリカント

 

 バラの木夫人から買った可愛い家に2人だけで暮らす仲良しのオンネリとアンネリが、バラの木夫人に助けを求めてやってきた小人のプティッチャネン一家を家に招き入れるが、お金持ちになりたいガソリンスタンドの奥さんに一家が狙われてしまい・・・。フィンランドの児童文学「オンネリとアンネリ」シリーズの映画化第2弾。

 オンネリ達が一家をドールハウスにかくまったり、食べ物を小さく刻んで食事を用意してあげたりする様子は女の子にはたまらないと思うし、プティッチャネン家の長男が体より大きなパイにかぶりついたりする姿も羨ましく、子供の無邪気な夢を素敵に形にしてくれる楽しさがある。

 バラの木夫人は魔女のような存在なのだけど、彼女が持つ人を助けたり幸せにしたりする力が、その人にピッタリの素敵な家を用意すること、というのがユニーク。

 フィンランドって家にこだわるお国柄なのだろうか、と思った。

 

| 観るサル(映画館篇) | 18:59 | comments(0) | -
「ハード・コア」観るサル(映画館篇)

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「ハード・コア」監督:山下敦弘 出演:山田孝之 佐藤健 荒川良々 康すおん

 

 社会に対する怒りをすぐ暴力で表現してしまうため社会に馴染めない右近と、不器用過ぎて社会に適応できない相棒の牛山。怪しげな活動家のもとで埋蔵金発掘の仕事をしている2人が奇妙なロボットを見つけたことから、商社マンとしてしたたかに生きる右近の弟・左近も加わって今の生活から抜け出そうとしていく、狩撫麻礼・いましろたかしの漫画「ハード・コア 平成地獄ブラザーズ」の映画化。

 物語がなかなか動き出さず、ロボットが登場したら動き出すのだろうと思いながら観ていたらロボットが登場してもあまり動かず、色々な事が起こってもユルユルと進んでいくのがこの作品のテンポなのだな、と思った。

 ユルユルとしたテンポだからと言ってユルくて笑える作品かと言うとそうでもなく、社会の底辺で生きる右近達の何かが変わりそうな、変えられそうな予感はあるのに、もどかしいほど僅かしか変化は起こらず、どうすれば良いのか分からずグズグズしているうちに、また誰かから利用されてしまうという、何だか切なくて世知辛いお話だった。

 一人ぼっちの男達に育まれた、一人ぼっちのロボットの進化に泣けた。

 

| 観るサル(映画館篇) | 18:54 | comments(0) | -
「風に恋う」読むサル

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「風に恋う」額賀澪(文藝春秋)

 

 小学3年生の時にテレビで見た千間学院高校の吹奏楽部に憧れて吹奏楽を始めた基が千間学院に入学し、変わってしまった吹奏楽部を立て直すためにコーチとしてやってきた憧れのOB瑛太郎に導かれて、吹奏楽の全国コンクールを目指す物語。

 理想の音を追い求めることに一直線で、先輩達の反感を買って悩んでもやっぱり音楽のことしか考えられない基の物語はとてもストレートな青春小説で、そこに、音楽漬けの眩しい青春時代のその後を生きる、大人になって少しずつ色々な事が見えてきた中で悩みながら基達の青春に向き合う瑛太郎の物語が絡むところに、複雑な面白さがある。

 そんな瑛太郎の姿も、さらに上の世代から見ればまだまだ眩しい迷える若者で、少年、青年、大人と様々な視点から青春を感じることができる、奥行きと広がりのある青春小説だった。

| 読むサル | 17:33 | comments(0) | -
「生きてるだけで、愛。」観るサル(映画館篇)

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「生きてるだけで、愛。」監督:関根光才 出演:趣里 菅田将暉 仲里依紗

 

 鬱による過眠症で何もせず寝てばかりいる寧子の前に、同棲しているゴシップ雑誌のライター・津奈木の元彼女だという安堂が現れ津奈木の部屋から出て行くよう強引に迫ってきたことから寧子の生活が揺るがされていく、本谷有希子の同名小説の映画化。

 津奈木に我が儘を言ってきつい言葉で責め立てながら、いつも不安げに瞳を泳がせ何かに怯えているようでもある寧子の姿が、人に慣れない野生の獣のようだった。

 色々なものが怖くて仕方がないから攻撃的になって、攻撃的になるから周りとどんどん上手くいかなくなって、自分で自分に振り回されてどうしていいか分からなくなってしまう、どうにもならない心を抱えた人間の描き方がリアルで、寧子の「生きてるだけで疲れる」というセリフに、心の深いところで共感した。

 そんな寧子にどうして津奈木が恋して一緒にいるのかとも思うけれど、出会いのシーンを見ていると、取り繕うことができないむき出しでハチャメチャな寧子が、心にフタをして生きているような津奈木には眩しくて、初対面でいきなりぶつけられたきつい言葉も、自分が言えない本音を言われたようで、痛いけれど気持ち良かったんじゃないかと思った。

 寧子と津奈木が真っ直ぐに本音で向き合うラストが、切ないけれど、温かく誠実で、心に沁みた。

| 観るサル(映画館篇) | 17:55 | comments(0) | -
「グレイテスト・ショーマン」観るサル(家篇)

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「グレイテスト・ショーマン」監督:マイケル・グレイシー 出演:ヒュー・ジャックマン 

 

 伝説の興行師P・T・バーナムの半生を描いたミュージカル。

 歌も踊りもビシッと決まっていて、華やかだったり、ロマンチックだったり、アクロバティックだったり、見世物小屋的なものから始まってサーカスの原点を生み出した人の話なのだけど、この作品自体、見世物としてというか、ショーとしてキッチリと楽しませてくれるところが気持ち良い。

 成功を求めて上へ上へと向かっていったバーナムが、本当に求めていたものはすぐそばにあった家族という幸せだったという原点に戻る物語は青い鳥のようで、成功して終わり、ではないラストにしんみりとした気持ちになった。

| 観るサル(家篇) | 16:18 | comments(0) | -
「グレイテスト・ショーマン」観るサル(家篇)

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「グレイテスト・ショーマン」監督:マイケル・グレイシー 出演:ヒュー・ジャックマン 

 

 伝説の興行師P・T・バーナムの半生を描いたミュージカル。

 歌も踊りもビシッと決まっていて、華やかだったり、ロマンチックだったり、アクロバティックだったり、見世物小屋的なものから始まってサーカスの原点を生み出した人の話なのだけど、この作品自体、見世物としてというか、ショーとしてキッチリと楽しませてくれるところが気持ち良い。

 成功を求めて上へ上へと向かっていったバーナムが、本当に求めていたものはすぐそばにあった家族という幸せだったという原点に戻る物語は青い鳥のようで、成功して終わり、ではないラストにしんみりとした気持ちになった。

| 観るサル(家篇) | 16:18 | comments(0) | -
「マイ・プレシャス・リスト」観るサル(映画館篇)

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「マイ・プレシャス・リスト」監督:スーザン・ジョンソン 出演:ベル・バウリー

 

 14歳で飛び級してハーバード大学に入学したものの、卒業後は部屋にこもって読書ばかりして過ごしている19歳のキャリーが、父の友人でもあるセラピストのペトロフから幸せになるためにやる事のリストを与えられ、渋々実行していくうちに様々なトラブルの中で変わっていく物語。

 これは、大人になれない女の子が大人になる話ではなく、早くに母親を亡くしたうえに一足先に大人の世界に放り込まれて背伸びし続けなくてはならなかったキャリーが、子供から大人へと変わっていく思春期をやり直すお話だったんだな、と感じた。

 キャリーの見せる子供っぽさが、頭でっかちに何でも頭で考えて行動してしまい、正しくないことを許したり清濁併せ呑むような事が苦手、という形で描かれているところに共感できる。

 キャリーを一番救うことになる、それまでの時間を取り戻すようなちょっと無茶な父親の行動が痛快だった。

| 観るサル(映画館篇) | 19:18 | comments(0) | -
「樽とタタン」読むサル

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「樽とタタン」中島京子(新潮社)

 

 タルトタタンというお菓子の名前をもじったタイトルから、カフェのお話かお菓子作りの好きな女の子の話か何かかと思ったら、喫茶店が舞台の話ではあるけれど、祖母に連れられて行ったことのあるその喫茶店でだけは安心していられるため学童保育代わりに預けられることになった、いつもコーヒー豆が入っていた樽の中にいたためにタタンというあだ名を付けられた少女のお話というのが、ひねりが効いていて面白かった。

 小さいタタンがお店の隅っこから覗いた風変わりな大人達のエピソードの数々と、大人達の中にひっそりと馴染んだタタンの姿が、時にシュールなおとぎ話のようで、ほのぼの。

 タタンのおばあちゃんと、常連客の老作家が魅力的だった。

| 読むサル | 17:30 | comments(0) | -
「緑のなかで」読むサル

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「緑のなかで」椰月美智子(光文社)

 

 北国にある大学の学生寮・緑旺寮で暮らす工学部の3年生・青木啓太の、一年間の物語。

 主人公の啓太が、周りからは“いい人”と言われ自分では“つまらない人間なのではないか”と思っているあまり個性的ではない普通の青年であることと、彼の視点で描かれるため物語が静かなテンションで進んでいくところが、読んでいて心に馴染みやすかった。

 そんな普通の青年・啓太が、個性的な寮や大学の仲間達との交流や思いがけない出来事によって変わっていくのではなく、色々な事に気づいて自分を受け入れていく話であるところが良い。

 登場人物達がそれぞれに色々な面を見せ、個性的でありながら普通の人達であるところも魅力的だった。

| 読むサル | 19:06 | comments(0) | -
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