観るサル 聞くサル 言うサル

最近観た映画や本についてのブログです。「観るサル」(映画館篇)では映画館で観た映画「観るサル」(家篇)ではテレビやDVDなどで観た映画「読むサル」では本について綴っていきます。
「ダーウィンと出会った夏」読むサル

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「ダーウィンと出会った夏」ジャクリーン・ケリー 訳:斉藤倫子(ほるぷ社)

 

 1899年のアメリカ・テキサス州を舞台に、7人兄妹の真ん中で唯一の女の子である11歳のキャルパーニアが、変わり者の祖父と心を通わせ、共同研究者として身近にある様々なものを観察し発見していく物語。

 今よりもずっと女の子に自由がなかった時代に、母親に気づかれずに髪を短くする方法を考えたり弟のために一芝居売ったりするユニークな賢さを持ち、女の子らしい生き方を求められることに反発したり悩んだりしながらも自分が好きな事やりたい事を夢中になって追いかけるキャルパーニアの姿が魅力的だった。

 キャルパーニアを対等に扱ってくれる、周りに人達の目など気にせずに好きな事に没頭して人生を楽しんでいるお祖父ちゃんも素敵。

 何だか懐かしいワクワクした気持ちを感じさせてくれる一冊だった。

| 読むサル | 17:53 | comments(0) | -
「ふたりみち」読むサル

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「ふたりみち」山本幸久(角川書店)

 

 訳あって20年以上ぶりに復活ドサ周りツアーをすることにしたムード歌謡歌手のミラクル・ローズこと野原ゆかりが、フェリーで出会った自分と同じ名を持つ12歳の少女・緑川縁と珍道中を繰り広げる物語。

 思うようにいかない事だらけの切ないゆかりの人生を思わせるようなトラブル続きの旅なのだけど、そんな中での彼女と彼女の歌を本気で愛する人達との出会いと再会が、数は少なくてもミラクル・ローズの歌は確かに人の心を動かしたのだと、じんわり温かな気持ちにさせてくれる。

 妾の子に生まれ色々な事を運命だからと諦め受け入れてきたゆかりが、「運命に逆らうのよ」と立ち上がった時、未来へのエネルギーに溢れた縁を巻き込んで新たな運命が動き出していく、爽快で心に沁みるロードムービー的小説だった。

| 読むサル | 17:56 | comments(0) | -
「バンクシーを盗んだ男」観るサル(映画館篇)

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「バンクシーを盗んだ男」監督:マルコ・プロゼルピオ 出演:(ナレーション)イギー・ポップ

 

 世界のあちこちにユーモラスで風刺の効いた作品を出現させて話題を呼ぶ、有名だけど誰も正体を知らないストリートアーティストのバンクシー。パレスチナとイスラエルを分断する巨大な壁にグラフィティアートを描くプロジェクトの一環として描かれた彼の「ロバと兵士」という作品を巡り、絵の描かれた壁をはぎ取って売った人々や、コレクターなどの声を追ったドキュメンタリー。

 壁画を見るために沢山の人達が現地に足を運んだと聞けば、作品が意義のあるものに感じられるし、「自分達をロバ扱いして侮辱している」と怒る地元の人の声を聞けば、世界を動かしてもそこで暮らす人に不快な思いをさせるならアーティストの偽善みたいなことにもなるのかもしれないと考えさせられるし、なかなか難しい。

 他人の所有物である壁に違法に描かれた作品の権利は誰にあるのかという問題などもややこしく、心も頭もこんがらがる、答えの出ない沢山の課題を投げかけられる作品だった。

| 観るサル(映画館篇) | 18:57 | comments(0) | -
「カメラを止めるな!」観るサル(映画館篇)

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「カメラを止めるな!」監督:上田慎一郎 出演:濱津隆之 真魚 しゅはまはるみ

 

 廃墟でゾンビ映画を撮影中の撮影隊に本物のゾンビが襲いかかってくるが、リアルを追求する監督はそのまま撮影を続けようとし・・・。という作品を作っている撮影隊の物語。

 「ONE CUT OF THE DEAD」という映画が終わったところからもう一つの物語が始まる、劇中映画が丸ごと一本入ったユニークな構成になっているのだけど、パニックっぷりがハチャメチャ過ぎてドタバタな「ONE CUT OF THE DEAD」が終わった時「これはこれで面白いけど」と半笑いで思ったのが、全部観終わった時には、いやあ面白かった、と満面の笑みに変わっていた。

 ゾンビと監督の狂気によるパニックホラーの裏側は、クセ者だらけのスタッフ・キャストが巻き起こすトラブルを必死に乗り越えていくパニックコメディだった、という感じ。

 登場人物達の役と素顔のギャップや伏線に大笑いしながら、何が何でも最後まで作品を完成させるのだという撮影隊の人々の作品作りに懸ける情熱に、最後はちょっぴりジーンときてしまった。

| 観るサル(映画館篇) | 18:55 | comments(0) | -
「怪物はささやく」観るサル(家篇)

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「怪物はささやく」監督:ルイス・フアン・バナヨ 出演:ルイス・マクドゥーガル

 

 病で弱っていく母の死を恐れながら学校ではいじめに耐える厳しい日々を送る少年コナーの前に怪物が現れ、自分が語る3つの物語を聞くことと4つ目の物語としてコナーが自身の真実について語るよう迫る、イギリスの同名小説の映画化。

 怪物が語る物語が、おとぎ話風だけど善と悪も黒と白もあいまいで、救われないし報われないけれど現実とはそういうものだと諭すようなお話なのがユニーク。

 コナーが胸に秘めた真実は予想がついたけれど、彼の気持ちは理解できるし共感できて、それをさらけ出して認めることを求められるシーンは酷で辛く、胸が痛んで涙が出そうになった。

 現実的な厳しい優しさで描かれたファンタジー。

| 観るサル(家篇) | 18:54 | comments(0) | -
「パンク侍、斬られて候」観るサル(映画館篇)

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「パンク侍、斬られて候」監督:石井岳龍 出演:綾野剛 北川景子 東出昌大

 

 腕は良いけれどいい加減な浪人・掛十之進が、近隣の藩で騒動を起こしている腹ふり党の対策に詳しいと嘘を吐いて黒和藩に取り立ててもらおうとしたことから権力争いの騒動に巻き込まれていく、町田康の同名小説の映画化。

 腹ふり党は腹を振って踊りまわるだけのおかしな宗教だし、人間の言葉を喋るサルは登場するし、登場人物達の心の中は小説でも読んでいるようにこれでもかと説明されるし、ハチャメチャでバカバカしい作品なのだけど、そのハチャメチャに描かれるバカバカしい世界が今の日本の社会に重なってしまっているため、権力のために吐いた嘘が手に負えなくなって追い詰められる偉い人の姿や、いっぱいいっぱいの厳しい毎日から逃避するために手っ取り早く熱狂できるものに飛びついてしまう民衆の姿などが、けっこう痛烈な社会風刺になっているところが凄い。

 訳の分からないバカ騒ぎを眺めながら、何だかちょっとゾッとして、不安な気持ちになる瞬間のある作品だった。

| 観るサル(映画館篇) | 19:09 | comments(0) | -
「未来のミライ」観るサル(映画館篇)

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「未来のミライ」監督:細田守 出演(声):上白石萌歌 黒木華 星野源 麻生久美子

 

 妹のミライちゃんが家に来て以来みんなの関心を奪われ“あれもこれも好きくない”と駄々ばかりこねている4歳のくんちゃんが、中庭から時空を越え、大きくなった中学生のミライちゃんや子供時代のお母さんと出会って成長していく物語。

 小さいくんちゃんと大きなミライちゃんが冒険を繰り広げる物語かと思ったら、もっと身近で普遍的な、等身大の小さな物語だった。

 みんなの愛情を一身に浴びてきた者は、その座を譲って愛情を注ぐ側になり、部屋を散らかして叱られていた少女は、部屋を散らかした子供を叱る母親になる、そんな風に入れ替わりながら繰り返され繋がっていく、家族の営みの物語という感じ。

 妹ができて変わってしまった世界に戸惑うくんちゃんの不安と怒りをたっぷりと描く一方で、仕事と家庭の両立にいっぱいいっぱいになって苛立つお母さんと、慣れない家事と育児にいっぱいいっぱいになって落ち込むお父さんの姿も同じくらいしっかりと描かれていて、子供より大人の方が楽しめるというか理解できる、けっこう大人目線の作品だったな、と感じた。

| 観るサル(映画館篇) | 18:56 | comments(0) | -
「十歳までに読んだ本」読むサル

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「十歳までに読んだ本」西加奈子 益田ミリ 杏 ほか全70名(ポプラ社)

 

 作家や女優など様々な人達が、十歳までに読んで心に残っている一冊について綴ったエッセイ集。

 選んだ本にも、その本を読んでどんな風に感じたかにも、それぞれその人らしさが出ていて面白い。

 幼い頃に読んで大人になっても覚えている本というのは、結構その人の根っ子みたいな部分に影響を与えているものなのだなあと、本の持つ力を改めて感じさせてくれる一冊だった。

| 読むサル | 18:36 | comments(0) | -
「君はひとりじゃない」観るサル(家篇)

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「君はひとりじゃない」監督:マウゴスカ・シュモフスカ 出演:ヤヌシュ・ガヨス

 

 妻を亡くして6年経つ、どんな死体を見ても何も感じなくなってしまった検察官のヤヌシュと、拒食症で食べては吐きを繰り返す娘のオルガ。ぎくしゃくした関係の父娘を、風変わりなセラピストのアナが変えていこうとする物語。

 独特な(でも実際にありそうでもある)やり方で感情を吐き出させようとするアナのセラピーが面白く、ちょっと自分でも受けてみたい気がした。

 セラピストであるアナが霊媒者でもあるというのがユニークで、物語も少しずつ不思議な現象が起こる展開になっていき、アナが誠実な人物にも、ちょっと胡散臭い人物にも見えてくる。

 不思議な現象を信じたくなる一方で、そういうものに救われるのは何か安易というかしっくりこない気がするな、と思いながら観ていたら、フッと肩の力が抜けるようなラストに、思わず笑顔になった。

 素敵な作品でした。

| 観るサル(家篇) | 18:57 | comments(0) | -
「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」観るサル(映画館篇)

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「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」監督:ジョナサン・デイトン ヴァレリー・ファリス 出演:エマ・ストーン スティーブ・カレル

 

 男子選手の賞金が女子の8倍であることに憤り、全米テニス協会から独立して手探りで女子テニス協会を立ち上げた全米女子テニスチャンピオンのビリー・ジーンが、元男子テニスのチャンピオンであるボビーから勝負を持ち掛けられ、男女平等の社会を賭けて闘う、実話を基にした物語。

 おかしいと感じた事に対してどんどん行動しガンガンぶつかっていく、真面目な問題児という感じのビリー・ジーンが魅力的。

 誰かと一緒にいても、誰かに支えられていても、彼女は自分が求めるものは自分で闘って手にしてきたのだろうな、と感じた。

 そんな彼女をダシにしてもう一花咲かせようとするボビーが強い立場かというとそんなことはなく、妻の父の会社でやる事もなく過ごし、ギャンブル依存症のせいで妻から愛想を尽かされかけている彼も、けっこう追い詰められている。

 ボビーが単なる敵ではなく、ビリー・ジーンも本当の敵は彼ではないと考えているところが、複雑で面白い。

 ひたすら試合を見せるクライマックスは、2人の本気にどんどん引き込まれ、思わず席から腰を浮かせたり、声を上げそうになってしまったりした。

 再現でこれだけ引き込まれるのだから、実際の試合は沢山の人達の心を動かしたのだろうな、と思った。

| 観るサル(映画館篇) | 18:54 | comments(0) | -
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